「雇用」というアーティスト支援の新しいかたち。AVANTIST PROJECTが募集開始。
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- September 21, 2022 02:59 PM
今年度から札幌市はアーティスト自身を支援するだけでなく、アーティストの中間支援プロジェクトに対しての補助金交付を開始した。新型コロナという未曾有の体験が生んだ1つの新しい取り組みとしてにわかに注目を集めているが、こういった取り組みを始めたのは行政だけではない。新型コロナを契機として民間でもアーティストを支援する新たな取り組みが始まった。
2022年6月にオープンしたGALLERY CLACはアーティストにあった職種や雇用条件で働きながら制作に打ち込める生活環境づくりを支援するAVANTIST PROJECT(アバンティストプロジェクト)を開始した。
これは現実に即した新たな支援のかたちだ。アーティスト活動を専業として活動している人はとても少なく、なんらか別の経済活動を並行して行っている、いわゆる兼業アーティストがほとんどだ。その中には、いずれは専業となることを目指す人もいれば、兼業アーティストとしてバランス良く継続的に取り組んでいる人もいる。しかしコロナ禍により、そういった形が困難になり創作活動をやめざるをえないという選択肢を選ぶ人も出てきてしまった。
そういった現状を知ったGALLERY CLACはサポート企業とともにアーティストの活動を「雇用」という形で支援を行っていくAVANTIST PROJECTを企画。各々の活動形態に即した雇用をすることで経済活動面の支援をするとともに、GALLERY CLACでの発表支援を行っていく。
このプロジェクトは採用という問題を抱えている企業にとっても課題解決の可能性を含んでいる。通り一辺倒な福利厚生だけでなく、アーティスト活動の支援を前提とした雇用を行うことは新たな人材の掘り起こしにも確実につながるだろう。さらには企業イメージの向上やPRの新たな形へと繋がっていく可能性も十分に予想される。
応募については履歴書とポートフォリオの提出のみ。ポートフォリオについてはステートメントや活動への思いを文章にしたためる形でもOK。働き方についてはサポート企業と直接面談を通して最適な形を一緒に探していくとのこと。募集条件も非常に幅広く、多くのアーティスト(およびそういった活動をしたい方)が当てはまる。
プロジェクト名AVANTIST(アバンティスト)はフランス語のavant(前)+artist(アーティスト)を繫いだ造語だ。この言葉には、別の経済活動をしながらアーティスト活動をしている人をフリーターと見てしまう世間への新たな価値の提示でもある。兼業アーティストをフリーターではなく「アバンティスト」という名称で呼ぶことで、社会からの見え方は大きく変わっていく。そういった思いを込めてプロジェクト顧問でありアーティストの藤沢レオさんが命名した。
アバンティストプロジェクトは今回だけに限らず継続的に行っていくことを目指しているとのこと。今後サポート企業についても増えていくことを目指していく。この新しい動きが札幌にどのような新たな価値を生み出していくのか。今後の動きに注目していきたい。
詳細については以下の募集要項をご確認ください。(〆切2022年10月30日)
AVANTIST PROJECT
このプロジェクトはgallery CLACが主体となり、 アーティストが次のステップに踏み出すための 継続的支援を目的とした取り組みです。
私たちはアーティストを雇用し、個展開催をバックアップします。
gallery CLACを始めるにあたり様々な工芸家やアーティストの方とお話しする機会をいただきました。その中で作家活動のみを生業として生活できている人は一握りしかいないという現実を知りました。多くのアーティストは生活のためにアルバイトをしながら空いた時間と少しの予算で制作をしているそうです。
しかし、昨今のコロナ禍においては、それすらもままならず制作活動を辞めざるを得ないアーティストもたくさんいるとききました。アートに関わるものとして、現状に一石を投じたいと強く思いました。素晴らしいアーティストに安心して作品を制作してもらい、それを発表する機会を用意できたら。そんな思いからアバンティストプロジェクトは生まれました。
▼概要
サポート企業と連携し、アーティストにあった職種や雇用条件で働きながら 制作に打ち込める生活環境づくりをサポートします。
アバンティスト採用後半年から1年以内にgalleryCLACにて 個展を開催することを一つの目標とします。
▼募集対象/条件
・札幌市もしくは近郊で熱意を持ってアーティスト活動をしている方、またはアーティストを目指している方
・活動の場や表現の範囲を広げたい方
・仲間やチームを作りたいと思っている方
・個展を開催したい方・アーティストではなくてもアート事業に関わりたいと思っている方
・ギャラリー運営やプロジェクト運営に興味がある方
・札幌市内で働ける方
▼選考方法
書類・ポートフォリオの提出 → 一次面談 → 二次面談 → サポート企業面談 → アバンティスト認定
▼応募について
期間/2022年9月13日-10月30日
写真付き履歴書と作品ポートフォリオ (ステートメントまたは活動への思いを含む)を
下記メールアドレスへ送ってください ※書式自由
gallery.clac@gmail.com
主催/gallery CLAC
代表/佐々木 剛(gallery CLAC 代表)
顧問/原 ななえ(“FURNITURE DESIGN AGRA” “Deer Park” デザイナー・造形家)
顧問/藤沢 レオ(アーティスト・金属工芸家・NPO法人樽前arty+ディレクター)
サポート企業/株式会社 COTOTORI