ART AleRT SAPPORO 編集部 マンスリーピックアップ 2017年12月

新たにはじまった新シリーズ編集部マンスリーピックアップ。編集部のうちの1人が独断と偏見で気になるイベントを紹介するこのシリーズは、登録されているイベントの中から編集部のメンバーの1人が1ヶ月間のあいだに「見たい!」と思うイベントを日付順に紹介していきます。掲載されている情報を元に書いているので間違ってたらごめんなさい。皆さんが「何か見に行きたいな」と思ったときのちょっとした参考程度に是非お使いください。(文:カジタシノブ)

 

開催中~12月8日(金) ペーパーショップサクマ
札幌レトロ・グラフィックス展

https://artalert-sapporo.com/events/detail/1336

札幌の戦後あたりに作られたグラフィックを並べているだけなのかと思ったら、アプローチが全然違う。この展覧会の中心にいるのは謎の図案家M・M氏、その人物が作ったものは勿論、彼のコレクションを並べるというこの展覧会。誰だかわからない。全く想像もつかない。けどなんか気になる。展覧会を見たらわかるのだろうか。どんなものを作った人なのだろうか。考えると余計気になってくる。完全に宣伝に負けた気分なんだけど、それを知るには行くしかないんだろうなあ。会場のペーパーショップサクマさんは札幌には数少ない紙の専門店。素材好きは展覧会を観るのと同時に世の中にはどんな紙があるのか見だすと止まらないと思いますのでお時間に余裕を持って。

 

開催中~12月10日(日) ト・オン・カフェ
松浦シオリ展 「夢見始め」

https://artalert-sapporo.com/events/detail/1359​

札幌在住の松浦シオリさんの約1年半ぶりの個展。展覧会でお見かけする意外にも書籍の表紙やフライヤービジュアルなどイラストレーターとしても多方面で活躍している松浦さん。もしかしたら皆さん気づかないところで目にしているかもしれません。実際私も最初に観たのは書店で並ぶ本の表紙でした。(→参考) 日本画のように見えるその絵はすべてコンピューターで書かれたもの。一瞬古い絵画を観ているような錯覚を覚えますが、よく見ると現代的なモチーフやそこかしこに。今回の展示タイトル『夢見始め』は作家のこれからの夢、目標に向けた出発点にしたいとの思いが込められてるとのことなので、彼女の新しい一面が見えるのか、それとも今までのより進化した姿が見られるのか、非常に楽しみです。

 

開催中~12月11日(月) ギャラリーレタラ
冨田美穂展 牛のつむじ

https://artalert-sapporo.com/events/detail/1366

DMを見て「牛だなー北海道っぽいなー」と思って調べたら作家の冨田美穂さんは牛をモチーフに絵画や版画作品を作り続けている牛の作家さん。東京出身で武蔵野美術大学を卒業後、北海道で酪農に従事されているというそのキャリアの中、どの時点で牛にテーマを絞ったのでしょう。と思ったらインタビュー記事がありました。(→記事) 今年始めには第20回岡本太郎現代芸術賞にやはり牛の作品で入選。ここまで牛を見つめ描き続けている人の作品となると俄然見たい気持ちが沸き起こる。むしろ見続けてみたい。そして「牛だなあー」って思いたい。

 

11月29日(水)~12月3日(日) OYOYO まち × アートセンター さっぽろ
都市標本図鑑

https://artalert-sapporo.com/events/detail/1368

写真の展覧会は色々ありますが、個展などでない限りなかなか特定のテーマに絞った写真の展覧会はあまり見かけることはありません(見逃してるだけかもしれません)。そんななか路上観察系で街を撮りそれを「標本図鑑」として並べる展覧会はなんだかとても楽しそう。普段目にしている風景はいつのまにかそれが当たり前になりますが、ふと見かたを変えたりすると途端に魅力的なものに見えてきたりします。こういうのは古くは赤瀬川原平らが始めた路上観察学会や最近では写真家の大山顕さんあたりが有名でしょうか。大好物なんで楽しみです。会場であるOYOYOは12月いっぱいで建物の老朽化により惜しまれつつも閉館します。

 

12月12日(火)~12月29日(金) ト・オン・カフェ
jobin.個展「漂う明日」

https://artalert-sapporo.com/events/detail/1363

毎年年末にはト・オン・カフェで個展を開くjobin.さん。モビールを中心にクラフトと美術の間をさまようように表現をし続ける彼の作品は、実際に観る時間帯や、そこにいる人によっても見せる景色が変わってきます。会場のト・オン・カフェは大きな窓が設置されているのでそれがより顕著に見える展示。良く展覧会を見に行く人の中にはjobin.さんの毎年行う年末の展示を季節の風物詩のように感じている人もいるのではないでしょうか。カフェでお茶をしながらのんびり作品を観るのも一興です(展示観覧のみでの入店も可能です)

 

12月16日(土) 札幌プラザ2.5
変態アニメーションナイト ザ・ツアー セレブレート in 札幌

https://artalert-sapporo.com/events/detail/1325

タイトルは変態だしチラシはB級ホラー映画。その実態は一生忘れられないくらいのインパクトを残す短編アニメーションを集めた上映&トークイベント。そこで上映されるの皆が想像するテレビアニメ的なものとは全然違う。過去数回全国で巡回上映された変態アニメーションナイトですが、今回は「ザ・ツアー」と称して上映とともにMCが喋りながらのコメンタリー上映。今までは心の中でしか突っ込めなかったことを、出品作家も交えて、むしろおおやけに楽しむスペシャル回。MCを担当するのは作品世界からは想像もつかない話術を持つ水江未来さんと、新千歳空谷国際アニメーション映画祭でフェスティバルディレクターも務める土居伸彰さん

ART AleRT SAPPOROをご覧の方に抽選で「変態アニメーションナイト ザ・ツアー セレブレート in 札幌」招待券を5名の方にプレゼント!
 
以下の内容にてメールをお送りください。ご応募いただいた方の中から厳正なる抽選を行い、当選者を決定いたします。当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
応募締め切り:12月4日(月)23:59必着

(1)件名
「変態アニメーションナイト札幌」応募

(2)宛先メールアドレス
ono.tmk@gmail.com [宣伝・運営]小野朋子

(3)本文
郵便番号・住所・氏名・電話番号・メールアドレスをご記入ください

 
※お送りいただいた個人情報は「変態アニメーションナイト ザ・ツアー セレブレート in 札幌」の招待券抽選以外の目的には一切使用いたしません。
※送り先アドレスは「変態アニメーションナイト ザ・ツアー セレブレート in 札幌」運営担当者様となります。お問い合わせがありましたら上記アドレスにお願い致します。
 
主催:「変態アニメーションナイト ザ・ツアー セレブレート in 札幌」

 

12月16日(土) 道新ホール
シークレット歌劇團0931★15周年記念公演『エリザベーーート!』~本物を知りたければ本物を見るがよい~

https://artalert-sapporo.com/events/detail/1343​

一度でいいから見てみたい。そんなことを思いながらもう何年経ってしまったのか。チケットが販売後即完売、そんな噂を耳にすれども、そんな即完イベント、宣伝もそんなに見かけることない。そんなシークレット歌劇團0931が昨年から道新ホールをメイン会場とし多少チケットが出回るようになった。今調べてみたらまだチケットは買えるよう。年に1回しか公演していないので観られるチャンスもそんなにないかもしれない。まるで宝塚のような見た目で繰り出される爆笑の嵐ってどんななんだろう。気になる方はこの少ないチャンスをものにしない手はありません。

 

12月21日(木)~12月24日(日) 生活支援型文化施設 コンカリーニョ
コンカリーニョプロデュース企画  大人VS中高生第2弾「鰤がどーん!」

https://artalert-sapporo.com/events/detail/1351​

1つのお話を2人の演出家が、かたや大人の俳優たち、かたや中高生たちをキャストに発表するこの企画。演劇というものがキャストはもちろんのこと演出家の手によって大きく変わるのだということがよくわかる企画です。演出にはエンターテイメントの名手で俳優としても多方面で活躍するELEVENNINESの納谷真大さんと、その表現が道内だけでなく大阪・東京でも注目を集めるintroのイトウワカナさん。脚本は演劇の楽しみ方の一翼がよくわかる企画じゃないかと思うので、「演劇を楽しんでみたい」方は是非片方だけではなく両方ご覧になってみることをお薦めします。しかし、「鰤(ぶり)がどーん!」てすごいタイトルですね。

 

 

札幌で街の中心部にありつつ、よそではできないイベントも多く受け入れてきたOYOYOがいよいよこの12月で閉館を迎えます。ここがなくなることで行き場を失う人々がでてくるのか。新たなスポットや受け入れるスペースが誕生するのか今後に注目しています。