いよいよ全貌が見えてきた札幌国際芸術祭2017 part1

今年2017年8月6日から札幌市内全域で開催される札幌国際芸術祭2017(略称SIAF2017)の全貌発表の記者会見が先日5月11日さっぽろテレビ塔で行われました。

2014年、坂本龍一さんをゲストディレクターに迎え始まった札幌国際芸術祭。2回目となる今回はゲストディレクターに大友良英さんを迎え「芸術祭ってなんだ?」をテーマに開催されます。先日の発表ではサブテーマとして「ガラクタの星座たち」が発表されました(サブテーマについては公式サイトをご参照ください)。前回の発表より数倍に増えた今回の内容、全て紹介するのはすごいボリュームになりますし、より詳しい情報は各種ニュースサイトに取り上げられるので、ART AleRT SAPPOROでは道外の方向けに会場からフィーチャーして複数回のシリーズとして札幌国際芸術祭2017をご紹介します。

 

広大な彫刻公園『モエレ沼公園「RE/PLAY/SCAPE」』

モエレ沼公園

札幌の観光地としても有名なモエレ沼公園。彫刻家イサム・ノグチが基本設計を行い公園全体がひとつの彫刻作品になっていることでも有名です。広大な敷地が幾何学的な稜線をもった山や噴水、遊具などがそこかしこにあり、その風景はどの地点から見ても他では見られない光景が展開され様々なCM・映像作品のロケにも使われています。写真映えする風景と言ってもいいかもしれません。もちろんそれだけでなく配置されている遊具は小さなお子さんでも楽しく遊べる色々な形の滑り台や大きなブランコなどがたくさんあり、夏には楽しく遊べるモエレビーチなどが登場し、多くの家族連れで賑わいます。

そんなモエレ沼公園で展開される「RE/PLAY/SCAPE」は、元々発表されていた大友良英+青山泰知+伊藤隆之による《without records》とコラボレーションする形で伊藤隆介の参加が発表されました。伊藤隆介はこの公園が出来る以前はゴミ処理場だった歴史に焦点を当てたジオラマ作品を発表するとのこと。また、公園のいたるところで大黒淳一×SIAFラボによる会場の環境データを利用した音響彫刻も展開されるそうです。札幌市民にとっては馴染みのあるモエレ沼公園を様々な視点から見直すきっかけとなることでしょう。

もちろん、まだモエレ沼公園に行ったことがない方は公園自体を楽しむとともに芸術祭作品を堪能できる貴重な機会となりそうです。札幌都心部からは少し離れているので時間に余裕を持って行くことをオススメします。お弁当を持っていってもいいかもしれませんね。

 

森の中に美術作品、美術館が点在する
『芸術の森「NEW LIFE:リプレイのない展覧会」』

もう1ヶ所、都心部から離れているけれど見逃せない展示会場である芸術の森。広大な敷地の中に美術館や工芸館、野外美術館(森の中に立体作品などが点在しています)などの展覧会場や、アートホールや野外ステージ、さらには歴史的建造物である有島武郎邸などがある非常に広い施設です。

今回の芸術祭ではこれら点在する施設及び野外美術館も含めた広大な森全体を使って展開する「NEW LIFE:リプレイのない展覧会」が開催。ここで展示をおこなうのはいずれも音を表現の入り口として唯一無二の活動を続けてきたアーティスト達。すでに発表されていたボアダムスのEYƎ刀根康尚などに加え、今回新たに世界的アーティストであるクリスチャン・マークレーが発表されました。

また会期中である9月3日には芸術の森野外ステージで日本からOKI原田郁子、台湾から原住民族のアーティストも迎え行われる音楽フェスティバル「マレウレウ祭り in SIAF2017~目指せ100万人のウポポ大合唱~」が開催されるので、この日に行けば、芸術の森をまるごと楽しめるかもしれません。

広大なうえに起伏のある施設ですので、芸術の森を訪れる際は歩きやすい靴を履いていくのがオススメです。また芸術の森の隣にある札幌市立大学では2016年に「40 Under 40 アジア・パシフィック アジア太平洋地域で最も影響力ある40歳以下の40人」に選出された毛利悠子作品も展開されるので、全てを見ようとすると結構時間がかかります。森林浴がてらのんびり半日かけるくらいのほうが慌てずにじっくり楽しめそうです。近くに食事をとれるお店があまり多くないので午前中から芸術の森に行き、そのあと町の中心部の展示に移動するなどして北海道のおいしい食事を探すのも手です。

 

札幌軟石の石切り場跡を利用した石山緑地
「OPEN GATE 2017」

芸術の森へ公共交通機関で行く場合、地下鉄とバスを乗り継がなければいけません。そのバスの途中にある石山緑地では9月15日から18日の4日間、『Asian Sounds Research Presents 「OPEN GATE 2017」 ~ 動き続ける展覧会 An ever-changing exhibition』が開催されます。石山緑地はかつて建材に最適とされた札幌軟石の巨大な石切り場跡を公園へと再生させた他では見ることができない空間です。ここで開催される「OPEN GATE 2017」は日没前後からパフォーマンスが始まります。それまでに芸術の森や札幌市立大学を見て、石山緑地へ向かうコースはとても充実したものになるでしょう。

 

札幌国際芸術祭2017、1日で全部回るのは無理?

先にご紹介したモエレ沼公園と芸術の森。それぞれ広大な敷地面積を誇る施設な上、札幌市中心部を挟んでモエレ沼は北側、芸術の森は南側とかなり離れています。他にも数十箇所ある会場と全てを1日で回るのはおそらく無理でしょう。今回の芸術祭では街の中心部にも複数の会場が点在しており、またホテルなども中心部に集中しているため、時間をうまく使いながら回って頑張れば2日、できれば3日間くらいあれば全て回れるかもしれません。せっかく北海道に来たのだからついでに旭山動物園や函館にも行こうなんて思ったら危険です。ちょっと東京から鎌倉に行くのとは違います。それぞれもう1日かかると思って計画を立てて下さい。

 

いっそ宿泊先も芸術祭会場で
『ゲストハウス×ギャラリープロジェクト「アートは旅の入り口」』

札幌はホテルが足りないほど観光客が訪れていることもあり、数年前から多くのゲストハウスが建ち始めました。ゲストハウスとはドミトリーがあり、素泊まりできる宿泊施設のこと。かつては「バックパッカーなどの旅行者が利用する安宿」というイメージが強かったゲストハウスも、最近ではシェアしながら様々な人たちと交流でき、地域の魅力を発信する場として再認識されています。

ゲストハウス × ギャラリープロジェクト「アートは旅の入り口」は、市内4つのギャラリーが企画した、8箇所のゲストハウスに北海道のアーティストの作品が展示されるプロジェクトです。夏の札幌はまさに観光シーズン。ホテルやゲストハウスのご予約は早め早めが確実ですが、ご予約の際の選択肢として、これらのゲストハウスを選ぶのも一興かもしれません。もちろん、宿泊せず作品を見るだけがOKの施設もあります。気軽に訪れて、ゲストハウスの雰囲気そのものも味わってみましょう。

札幌国際芸術祭2017のチケットは5月17日から発売開始。会期中、有料会場に何度でも入場できるチケット(パスポート)が一般1,500円にて発売。札幌市民・道民の方は5月中に購入すると1,200円になるお得な道民割もあります。またパスポートをお持ちですと会期中土日祝に運行される、札幌駅とモエレ沼公園や芸術の森をつなぐ連絡バスにも乗車でき土地勘のない方でも迷うことなく2つの会場へと行くことができます。

次回は札幌中心部の会場をご紹介します。