古林玲美銅版画展『モザイク・キワ』

FURUBAYASHI REMI EXHIBITION MOSAIC - VERGE

カフェエスキス

日々制作している3cm角の小さな銅版を、数個～数百個寄せ集めて一度に刷る「mosaicシリーズ」と題した銅版画の展示です。
mosaicシリーズの元となる3cm角の銅版は、新しく制作した版はもとより、劣化した古いものは新たに加筆し再生された版として、約2千個程の銅板が日々入れ替わりながらストックされています。

今回の展示タイトルの「キワ（際）」は、『あともう少しで別のものになるぎりぎりのところ』という自己模索する作品テーマへの想いの意味合いと、小さな銅版の集合体であるモザイクシリーズを『すぐそばで』身近に感じてもらいたいという2つの意図があります。

銅版のピースは私の中で自然に湧き上がる衝動的な形のドローイングで、さながら自動書記のように私の内包する原始的な‘描く衝動’の形を版にしています。
細胞が生物を構成するように、銅版がたくさん集まれば、私の内包する混沌とした‘描く衝動’が一つのかたちとして具現化していくのではないか、と愚直に信じ、効率が悪く時間のかかる単調な刷りの工程を進めていきながら、自分の過去の版・現在の版と向き合い自己模索しながら日々制作しています。
私の内包する‘描く衝動'の小さな銅版の中に一つでも見ていただける方にリンクしていただけたらと思います。

古林玲美（Furubayashi Remi）
1981 北海道栗山町生まれ
2007 東北芸術工科大学大学院　芸術工学研究科版画領域修士課程　修了
現在北海道版画協会会員。札幌芸術の森版画工房勤務。