Sound and Vision

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  • ART

1977年、デヴィッド・ボウイは東西ドイツ分断渦中のベルリンに籠り制作をし、アルバム「LOW」を発表する。この展覧会は、そのアルバム内に含まれる曲のテーマに由来する。出展作家の河野、久保、水石は共通の展示を通じて知り合い、その後美術にとどまらず音楽に対する共通の関心を元に一つの展示を作り上げた。会場となるieの部屋全体を使ったそれぞれの作家の展示、一部屋を共作のインスタレーションに使用する本展示において、河野は二階のラックがかかる部屋に、麻の紐を用いた網とラックに絵を掛ける二重の構造で展示を構成する。久保は一階の部屋に、ドローイングと油彩の平面作品を分散的に配した空間の中央に大きな絵と壁を配置し、その上部に横たわる姿勢で楽器を用いたパフォーマンスを不定期で開催する。

水石は二階の富士山の写真が壁面に貼られた部屋に、重低音が響く音響空間、大小さまざまな作品により宇宙的なイメージを現出させる。二階のもう一部屋は、水石を中心とした共作のインスタレーションが立ち上げられ、それは住空間に突如挿入された人間の秘めた本質的かつ創造的な心情の表れのように、本展示の象徴として機能する。この展示においてはそれぞれの作家に共通して、ボウイによる「LOW」の制作過程や、その楽曲に内在する核となるアイディアから引き出された汲めども尽きせぬ魅力、それを音楽と美術という境界を越え出たイメージの翻案が実現されている。ボウイによる本作がブライアン・イーノ、トニー・ヴィスコンティという二人の音楽家との初めての共作であったこと、また東西冷戦構造下におけるベルリンにおいて制作されたことも偶然ではない。

イスラエルによるパレスチナ侵攻に代表されるような、入植植民地主義による暴力が顕在化している現在、同時代的な問いに対して実験的な手法で作品制作を続ける三作家の展示は、現代的な意味を持つ展示となるだろう。

▼出展作家
河野菜穂子
北海道生まれ、現在北海道を拠点に制作活動を行う。
質感・色彩・線が作品を構成すると考え、画面への各要素の働きを発見発展させ制作している。

久保勝大
1994年北海道旭川市生まれ。
現在札幌市を拠点に主に絵画を制作、断片的な像を想起して、頭と体を一緒に動かしながら画面を作っている。

水石隼人
1996年北海道釧路市生まれ、札幌育ち。
多種多様な素材を用いながら、内的な目に見えないものの可視化を試みている。

INFORMATION

日程

2025年03月10日(月)〜2025年03月16日(日)

時間

14:00 - 21:00

入場料

500円

アクセス

ie

札幌市中央区南8条西1-13-75

お問合せ

https://www.instagram.com/kubomasahiro9novausagi/

SCHEDULE

2025/03/10 [Mon]〜2025/03/16 [Sun]

TIME

14:00 - 21:00

FEE

500yen

ACCESS

ie

S8W1-13-75, Chuo-ku, Sapporo-shi

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