三谷靱彦の手しごと展

YUKIHIKO MITANI EXHIBITION

カフェエスキス

  • ART

書籍の装幀や童話の挿絵など、出版の分野で活躍していた三谷靱彦(みたにゆきひこ)の手しごとをご紹介します。
切絵を主体とした表現方法を得意としながらも様々な技法を試み、これまで数多くの絵作りをしてきました。版画の技法、なかでも紙版画は最晩年まで好んで用られました。
今回、挿絵のお仕事で制作した蝋彩画(ろうさいが)と紙版画を中心に展示します。蝋彩画とは、切絵に色付けしてから仕上げにロウを施したもので、そうすることで鮮やかな色彩とともに独特の透明感を生み出す独自の発想と工夫によって作られた技法です。
本展覧会が初個展となります。日本の風物、年中行事、動物のいる風景など、様々なモチーフの温かみのある作品たち。手作業による職人的な仕事から生まれた作品たち。
美しい色彩と特有の感性を、本展覧会を通して感じて頂けたら幸いです。

三谷 舞

[企画・協力] ギターデュオ Ennui(アンニュイ)

◎ 『三谷靱彦の手しごと展』によせて − 父、三谷靱彦のこと

やさしい人でした。
動植物の生態、国内外の民具・玩具、日本の武将や紋、20 世紀の画家や小説家たちとその作品、味わいのある映画、戦後の日本のこと、いろいろなことをよく知っていました。調べものをしてから制作に取りかかる、律儀なところが、物知りだった理由です。

父は、書籍の装幀や童話の挿絵などの分野で出版にたずさわり、家族を養ってくれました。切絵を主体とした表現方法で絵作りすることが多かったようですが、実際はさまざまな技法を試みており、初期から最晩年まで版画の技法を用いたものも多くあります。そのなかでも紙版画は、最晩年まで用いていました。

今回の作品等は、蝋彩画(ろうさいが)と紙版画から選びました。
蝋彩画とは、父の発想によるもので、切絵に色付けしてから、仕上げにロウを施したものです。そうすることで、色彩が鮮やかになるとともに独特の透明感が生まれます。制作の中でたびたび工夫が加えられ、父特有の技法になっていきました。すべてが手作業による職人的な仕事であるため、体が資本の、体力勝負な毎日でした。昭和の雰囲気をまとったまま、ずっと、変わらない暮らしをしていました。
自らの、個人で仕事をすることの厳しさに向き合う姿と、他方で、祖父母を想う親孝行な息子の顔が、私の知る父でした。

生前、自らの展覧会を開いたことはありませんでしたので、もし、父がこのことを知ったら、とても喜んだことと思います。はにかんで笑っている様子が思い浮かびます。作品の中にある父の感性から、何か感じてくださるものがありましたら、とてもうれしく思います。

今回の展示は機関誌『専門店』(協同組合連合会日本専門店会連盟発刊)の表紙を制作する過程で生まれた、1990 年から2005 年頃の蝋彩画作品の中から選びました。月刊誌であったため、一年ごとに題材をかえて季節感ある作品を残しています。日本の風物、年中行事、動物のいる風景、など様々です。
また、紙版画作品については1980 年頃の新聞のコラムの挿絵のために制作されたものの中から選びました。世界中の玩具からモチーフの発想を得て、制作されています。作品の出来不出来については、本人のみぞ知るところではありますが、どの絵にも、作者特有のかたちがあって、人の手で形作られた温かみがあって、父らしい作品です。


令和6年4月27日 三谷 舞

▼プロフィール
三谷靱彦 (Yukihiko Mitani)
1943年、東京都浅草生まれ。 日本画を専門とする父親の影響から、子供のころより絵を描くこと、木彫、書を好む。 1965年、東京芸術大学油絵科卒。 臨時的任用教職員を経験したり、中学校道徳教科(学研)の装幀・挿絵を手掛ける。 1970年頃より、龍溪書舎、三一書房などの装幀や児童書の装幀・挿絵の仕事を展開する。 1986年頃より、父・三谷一馬(1912-2005)の出版を手伝う。 2005年から2016年、故人・三谷一馬が残した資料をまとめ出版することに専念。 2017年頃より自らの作品制作中心の生活に戻る。 2022年他界。
◎代表作 :  絵本 『もじえあいうえお』 (1981)、 『だるまさんとんでった』(1984) など

INFORMATION

日程

2024年05月23日(木)〜2024年06月17日(月)

時間

12:30〜22:30(日月火祝〜21:00)
※フードLO:閉店2時間前・ドリンクLO:閉店1時間前
※来客不在の際は 21:30(日月火祝は20:00)で閉店

休館日

水曜日 ※6月4日(火)臨時休業

入場料

無料 

アクセス

カフェエスキス

札幌市中央区北1条西23丁目1−1 メゾンド・ブーケ円山 1F

  • ◎地下鉄 東西線 円山公園駅 出口5 徒歩7分
お問合せ

011-615-2334

SCHEDULE

2024/05/23 [Thu]〜2024/06/17 [Mon]

TIME

0:30p.m. - 10:30p.m.

CLOSED ON

Wednesday. 4 June

FEE

Free

ACCESS

Cafe Esquisse

Maison de bouquet Maruyama 1F , 1-1, N1-W23, Chuo-ku, Sapporo

  • Tozai Subway Line MaruyamakoenStation Exit5 7minute(s)walk
CONTACT

011-615-2334

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