藻類の時間軸 -私たちの始まりへ-
Algae Time
北海道大学総合博物館
- ART
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しかし、現代の生物学では菌類はむしろ動物に近縁で、藻類には菌類と動物の間の違いよりも系統的にかけ離れた多くの群が含まれることが判っている。
太古の地球には気体の酸素がほとんど存在していなかった。
しかし、原始的な藻類が光合成の仕組みを確立して、数億年にわたり酸素を放出し続けたことにより、地球環境は激変し、その結果として私たち人類を含む酸素呼吸をする生物が繁栄するようになった。(本展覧会趣旨文より抜粋)
今展覧会ではこのような藻類を軸とした地球史、そして日本の藻類学の歴史を、北海道大学総合博物館が収蔵する日本の海藻学の黎明期から蓄積された重要な標本の数々と、藻類を介して個人的な視点から地球史を語った長坂有希によるインスタレーション作品の展示を通して描写する。
今展覧会は科学と美術の領域を横断しながら、藻類のさまざまな側面に触れていただく機会であり、当博物館が収蔵している日本国内のほぼ全ての海藻ホロタイプ(生物の学名変更の際など、分類学的取り扱いの基準となる唯一の標本)の一部を実際にご覧いただく貴重な機会でもある。是非、ご高覧いただきたい。
▼作品展示
長坂有希 「カムイワッカへ、そして私たちの始まりへ」
生物がいないと言い伝えられてきたカムイワッカ湯の滝に棲息しているという藻の一種のイデユコゴメを見るために、そして環境が変わる前の原始の地球の風景を探して、長坂は雪で閉ざされた知床半島に分け入り、徒歩で滝を目指すことにした。
今作品で長坂は、滝への身体的な旅と太古の地球への空想的な旅を重ね合わせて物語るとともに、人間の根源的な未知への好奇心と共有したいという願望についても一石を投じる。
▼プロフィール
長坂 有希
アーティスト。1980年大阪府生まれ。日本と香港を拠点としながら様々な場所で活動を行なっている。香港城市大学クリエイティヴ・メディア学科博士課程に在籍中。
リサーチとストーリーテリングを制作の主軸とし、遭遇した事象の文化的、歴史的、または科学的な意義や背景の理解と、自身の記憶や体験が混じりあう点に浮かび上がるものを物語として表現している。主な展覧会に「Times of Crisis」(ボローニャ近代美術館MAMbo、2021年(予定))、「ARTS&ROUTES – あわいをたどる旅 – 」(秋田県立近代美術館、2020年)、「Quatro Elementos」(ポルト市立美術館、2017年)、「マテリアルとメカニズム」(国際芸術センター青森、2014年)など。
https://www.akinagasaka.net/
INFORMATION
このイベントは終了しています
- 日程
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2021年07月13日(火)〜2021年09月04日(土)
- 時間
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10:00 - 17:00
- 休館日
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月曜日
- 入場料
無料
- アクセス
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北海道大学総合博物館
札幌市北区北10条西8丁目
- お問合せ
-
museum-jimu*museum.hokudai.ac.jp
This event has ended.
- SCHEDULE
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2021/07/13 [Tue]〜2021/09/04 [Sat]
- TIME
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10:00 a.m. - 5:00 p.m.
- CLOSED ON
-
Mon.
- FEE
Free
- ACCESS
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The Hokkaido University Museum
N10-W8,Kitaku,Sapporo
- CONTACT
-
museum-jimu*museum.hokudai.ac.jp