久野志乃「森の配置、ひかりの距離で」
Shino Hisano Painting solo Exhibition “Composition of the forest, by Distance of the light”
ギャラリー門馬
- ART
記憶が思い起こされる時、絶え間なく変化する瞬間の連続から、それを見出し思い出した後、またいくつかの別の記憶が関連付けられ、ふと今に戻ったかと思うと、また次の移動をはじめる。どんな些細な出来事もその細部も、感覚もどこかに行き着いて終わるということもなく、全ての記憶がまとめられた究極の世界に辿りつくこともなく、時間も場所も越えて常に変化し続けている。
ーたとえばある女は、森を歩く。
積み重なった枯葉に足が沈む、大きな大木が1本倒れていてまっすぐ伸びる木々の整列に突然横線を引いている、これは昔、見たことのある風景だ、と思い起こしながら、あの時一緒だった女の子は元気かしら?彼女の顔はどんなだった?
ある男の子は、蛍を見つける。
おさがりの長靴にはもう水が染み込んできているが、その光をどうしても捕まえたくて、何度も何度も飛び跳ねながら足元の苔を散らす。
ある男は、生い茂る木の葉一枚一枚を手にとって念入りに確認する。
無造作に見えながら同時に計算し尽くされたような植物や生き物の配置に魅入られる。時には採集し、記録する。
ある女の子は、森で道に迷う。
一緒だった子の手を離してしまった、吸い込んだ森の空気があまりに濃くて急にこわくなる、一瞬、遠くの方で光が差し込んだのでとにかくそちらに向かって歩いてみる。
久野志乃
プロフィール
◎久野志乃プロフィール
1978年北海道様似町生まれ。札幌市在住。2003年北海道教育大学大学院(西洋画)修了。他者の個人的な記憶をモチーフとしながら、多重の視点から生成された新しい物語や、ありえたかもしれない風景を油彩画で表現する。札幌を中心に、東京、台湾などで個展、グループ展を開催。2013年道銀文化奨励賞受賞。2015年個展「発光する島」(ギャラリー門馬/札幌)他、2016年「インスピレーション展」(苫小牧美術博物館)、2017年個展「海辺の風光誌」(ギャラリーカメリア/東京)他
INFORMATION
このイベントは終了しています
- 日程
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2020年08月27日(木)〜2020年09月09日(水)
- 時間
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11:00−18:00(最終日16:00まで)
- 入場料
無料
- アクセス
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札幌市中央区旭ヶ丘2丁目3-38
- ◎バス 旭ヶ丘高校前 徒歩3分
- ◎地下鉄 東西線 円山公園駅
This event has ended.
- SCHEDULE
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2020/08/27 [Thu]〜2020/09/09 [Wed]
- TIME
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11:00−18:00 *Open until 16:00 on the finalday
- FEE
Free
- ACCESS
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2-3-38 Asahigaoka, Chuo-ku, Sapporo
- Bus Asahigaoka High School mae 3minute(s)walk
- Tozai Subway Line MaruyamakoenStation