チェルフィッチュの〈映像演劇〉 「風景、世界、アクシデント、すべてこの部屋の外側の出来事」

Chelfitsch’s Eizo-Theater ‘The Landscape, the Worlds, and Accidents: Everything That Happens Outside of This Room’

札幌文化芸術交流センターSCARTS

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本展は、4本の〈映像演劇〉によって構成される演劇公演/展覧会です。
〈映像演劇〉とは、演劇作家・チェルフィッチュ主宰の岡田利規が、舞台映像デザイナーの山田晋平と取り組む、新しい形式の演劇です。「演劇とは、ある場において行われる上演が生じさせる“現象としてのフィクション”のことだ」と語る岡田は、これまでも演劇の形式自体を問うような作品を多く手掛けてきました。
〈映像演劇〉で上演/展示されるのは、スクリーン等に投影された、等身大の役者の映像です。映像の中で、役者は役を演じていますが、そこには背景も奥行きもありません。映像であるからこそ、観客は接近したり凝視したり、通常の「演劇」とは異なる鑑賞の仕方をすることができます。一方で、厚みのない映像であるにもかかわらず、人間が演じる「演劇」とも違う独特の存在感や生々しさが、そこには発生しています。
観客が映像に触れ、役者の演技と観客の想像力とが合わさる時、映像が投影された空間は、演劇の生まれる空間に変わります。〈映像演劇〉を見ることで、観客は、「演劇」として発生するフィクションと、「映像」であることで発生するフィクションという、2つの領域を同時に経験することになるのです。

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わたしたちには ーわたしたち皆にである、とは必ずしも言えないけれどもー この世界を把握したいという好奇心があり、この世界を正しく知っていなければならないという責任感さえ、場合によってはあります。一方で、わたしたちには身体の大きさとか、視野、知覚能力、思考の能力、時間、といった条件があらかじめ与えられています。それによる限界のもとで、わたしたちは世界を理解しようとしていて、ですからその理解は誤解である可能性も大いにありますけれども、それは仕方ないことです。
この限界を、小さな部屋の中にいるようなものと喩えることは可能だとわたしは思う。そしてもしその部屋を多かれ少なかれ快適だと感じられるなら、その部屋の中にいて世界と無関係でいるということも可能。こうした態度・感覚は時に必要なときがあるけれども、果たしていいことなのかどうかは、分かりません。
岡田利規

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◆プロフィール
岡田利規
1973年神奈川県生まれ。演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰。2005年「三月の5日間」で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。2007年デビュー小説「わたしたちに許された特別な時間の終わり」を新潮社より発表し、翌年第2回大江健三郎賞受賞。2012年より岸田國士戯曲賞の審査員を務める。2016年よりドイツ有数の公立劇場として知られるミュンヘン・カンマーシュピーレにて、日本人演出家として初めて4シーズンに渡るレパートリー作品の演出を務めている。

チェルフィッチュ
岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして1997年に設立。独特な言葉と身体の関係性を用いた手法が評価され、現代を代表する演劇カンパニーとして国内外で高い注目を集める。2007年『三月の5日間』にて国外進出を果たして以来、世界70都市での上演歴を持つ。近年は海外のフェスティバルによる委託作品制作の機会も多く活動の幅をさらにひろげている。

◆クレジット
作・演出/岡田利規
映像/山田晋平
出演/足立智充、椎橋綾那

テクニカルディレクション/岩田拓朗(SCARTS)
衣裳/藤谷香子(FAIFAI)
宣伝美術/佐藤史恵(SA+O)
プロデューサー/黄木多美子(precog)
プロダクションマネジメント/小森あや(TASKO inc. )
制作/小山冴子(SCARTS)、丸田鞠衣絵(hitaru)


◆オンライン配信トーク Online talk

4本の新作の〈映像演劇〉によって構成される演劇公演/展覧会、チェルフィッチュの〈映像演劇〉「風景、世界、アクシデント、すべてこの部屋の外側の出来事」。
3月に札幌にて滞在制作された本作の展覧会がはじまりました。
開幕を記念して、岡田利規氏、山田晋平氏、聞き手として佐々木敦氏をお招きしてのトークイベントを、オンラインにて配信いたします。

今回の札幌での作品について、そして映像演劇についても掘り下げます。ご期待ください。

イベントページはこちら

◎配信日程
①7月23日(木・祝)19時〜
②7月27日(月)19時〜
・両日程とも同じトークを配信します
・アーカイブの配信はありません。
・配信映像の録音・録画は固くお断りします。スクリーンショットや動画のSNS等へのアップはご遠慮ください。

◎配信URL
【公式】札幌市民交流プラザ
https://www.youtube.com/channel/UCT_jSwYRErGNJ38pewJiQDQ/

料金 無料

<出演者>
・岡田利規(おかだ としき)
1973年神奈川県生まれ。演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰。2005年「三月の5日間」で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。2007年デビュー小説集「わたしたちに許された特別な時間の終わり」を新潮社より発表し、翌年第2回大江健三郎賞受賞。2012年より岸田國士戯曲賞の審査員を務める。2016年よりドイツ有数の公立劇場として知られるミュンヘン・カンマーシュピーレにて、日本人演出家として初めて4シーズンに渡るレパートリー作品の演出を務めている。

・山田晋平(やまだ しんぺい)
舞台映像作家。愛知県豊橋市在住。
演劇やコンテンポラリーダンスを中心に、様々な舞台芸術の上演内で使用される演出映像の製作が専門。近年では、現代美術家とのコラボレーションによるプロジェクションマッピング作品や映像インスタレーションの製作も行っている。また、劇場や美術館にとどまらず、まちなかの建物や生活空間にまで表現の場を広げ、サイトスペシフィックなアートプロジェクトの企画・監修なども行う。舞台芸術と現代美術のフィールドを横断し、かつ芸術と日常生活の空間的な境界を横断しながら、映像芸術の新たな可能性を探る活動を展開する。

<聞き手>
佐々木 敦(ささき あつし)
元批評家。HEADZ主宰。文学ムック「ことばと」編集長。
著書多数。最新刊はいずれもチェルフィッチュ論を含む『これは小説ではない』と『小さな演劇の大きさについて』。


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企画制作/株式precog
製作/札幌文化芸術センターSCARTS・札幌文化芸術劇場hitaru(札幌市芸術文化財団)、一般社団法人チェルフィッチュ

INFORMATION

このイベントは終了しています

日程

2020年07月14日(火)〜2020年08月01日(土)

時間

11:00−19:00

休館日

7月22日(水)

入場料

無料 

アクセス

札幌文化芸術交流センターSCARTS

SCARTSコート[札幌市民交流プラザ1F]


札幌市中央区北1条西1丁目 札幌市民交流プラザ内

お問合せ

札幌文化芸術交流センターSCARTS TEL:011-271-1955

This event has ended.

SCHEDULE

2020/07/14 [Tue]〜2020/08/01 [Sat]

TIME

11:00−19:00

CLOSED ON

7/22

FEE

Free

ACCESS

Sapporo Cultural Arts Community Center SCARTS

SCARTS COURT[Sapporo Community Plaza 1F]


SAPPORO COMMUNITY PLAZA, N1-W1, Chuoku, Sapporoshi

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